デザイン : 綱島卓也
イベント名|リテラル コリジョンズ/文字通りの衝突
会期|2025 年1 月18 日(土)-2 月23 日(日)
会場|〒605-0903 京都市東山区上人町433 半兵衛麸五条ビル2F ホールKeiryu
休廊日|会期中の水曜日
開場時間|10:00-17:00
主催|FINCH ARTS
協力|ギャラリーほそかわ、TEZUKAYAMA GALLERY、福岡彩子、MIKADO2、メグミオギタギャラリー
アーティスト|神馬啓佑、中村ケンゴ、NAZE、長谷川由貴、福岡道雄、ジェニー・ホルツァー(Jenny Holzer)、丸井花穂、グレン・ライゴン(Glenn Ligon)、リュ・ジェユン(Ryu jeyoon/류제윤)
レセプション|1 月18 日(土)15:00-17:00
展覧会初日にレセプションを行います。どなたさまもお気軽にお越しください。
=
この度 FINCH ARTS(フィンチアーツ)では、2025年1月18日(土)から2月23日(日)にかけて、展覧会「リテラル コリジョンズ/文字通りの衝突」を開催いたします。本展は「文字」を表現の一部として扱う芸術的実践を概観する意図で企画されました。文字は記録と伝達のための強固な意味と造形をもっており、現代的な作品においてしばしば重要なモチーフとして現れます。それは、意味を表すモチーフであると同時に、形や色を伴った線や色面として作品を構成しており、その両者の一致やずれ、あるいはすり抜けが作品の豊かさに寄与しています。本展タイトルは「リテラル コリジョンズ(Literal Collisions)/ 文字通りの衝突」としました。文字を結節点とした視覚の衝突、文脈の衝突をイメージしています。2023年に惜しまれながらこの世を去った福岡道雄の貴重な彫刻作品「僕達はそんなに怯えなくていいのでしょうか」をはじめ、中村ケンゴの「ひらがな ぺいんてぃんぐ」シリーズ、グレン・ライゴン(Glenn Ligon)、ジェニー・ホルツァー(Jenny Holzer)、長谷川由貴など、9名の作家の約30点ほどの作品を通して、絵画や彫刻に刻まれる文字表現の多様性を見ていきます。どうぞご高覧ください。
=
神馬啓佑《Who is the most fairest one of all?》2022-24, H120xW160cm, アクリル絵具、キャンバス
神馬啓佑(Keisuke Jimba)
1985年愛知県生まれ、兵庫県育ち、京都市在住。2011年 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科表現専攻 修了。主な展示に「じゃがいもがポテトになる時」(VOU、京都、2022)、「THE ヨエロ寸 -尋-」(VOU、京都、2021)、「当然の結末#6(共同住宅、個人的体験)」(LEESAYA、東京、2019)、「当然の結末#2(鑑賞と干渉、言語能力、円周軌道)」(gallery parc、京都、2018)、「なまの記号たち -ポートレイトの現在形-」(シャトー小金井2F、東京、2017)、「VOCA展2016」(上野の森美術館、東京、2016)など。
中村ケンゴ《近代》2024, H12xW12cm, 木製パネルに和紙、岩絵具、顔料、アクリル、樹脂膠(額装)
中村ケンゴ(Kengo Nakamura)
1995年に多摩美術大学大学院美術研究科修士課程を修了。大学・大学院にて日本画を学び、Eメールで使われる顔文字、マンガの吹き出しやキャラクターのシルエットなど、現代社会を表象するモチーフを用いたユニークな絵画を制作。海外での評価の高まりに連れ、2021年にAKIギャラリーにて台湾初個展、また同年には台北の関渡美術館にて開催された「模造風景」展にも出品。2024年には、AKIギャラリーにて2回目の個展「中村ケンゴの現代日式絵画」を開催。1990年代にポップカルチャーと伝統技法絵画の接続を試みた中村は、近年では東アジアを含めた日本の文化と近代絵画との関係に関心が移ってきており、「ひらがな ぺいんてぃんぐ」シリーズをはじめ、「心文一致」シリーズの「自我曼荼羅」、「○△□」、「モダン・ラヴァーズ」「JAPANS」シリーズなどが、新たな取り組みとして制作されている。
NAZE《TEMPO》2020, H40xW40cm, パネル、アクリル、スプレー、ペン
NAZE(ナゼ)
1989年生まれ。触覚的な筆致で描かれるドローイング、スプレーやコラージュを用いたペインティングや壁画、廃棄物を使ったオブジェなど、様々な表現を往復しながら作品を創り続けている。contact Gonzoとしても活動中。主な展覧会に「Scenes of Disparity(隔たりの風景)」(月極ギャラリー、東京、2024)、「Träumerei」(WALL_alternative、東京、2023)、「MONO NI NARANAI MONO」(OIL by 美術手帖 ギャラリー、東京、2022)など。
長谷川由貴《The Spectrum of Species》2022, 180×130cm, oil on canvas
長谷川由貴(Yuki Hasegawa)
大阪府生まれ。2014年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画修了。人間中心的な価値観やものの見方をずらし、有用性といった物差しで他の生き物を測ることから逃れるために、植物という他者を通して人間そのものの在り方を問う絵画を制作している。主な展覧会に「Art Rhizome KYOTO 2024 『逆旅京都』」(Cafe DOnG by Sfera、京都、2024)、天牛美矢子 長谷川由貴 2人展「Pure Land」(Bohemian’s Guild CAGE、東京、2023)、「京都府新鋭選抜展2022」(京都文化博物館、京都、2022)、個展「あなたの名前を教えてほしい」(ギャラリーモーニング、京都、2020)、「VOCA展2015 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京、2015)など。賞歴に「京都府新鋭選抜展メディア賞-京都新聞賞」(2022)。
福岡道雄《Nothing to do》2000, H92×W65cm, FRP、木 撮影:福永一夫
福岡道雄(Michio Fukuoka)
1936年、大阪府堺市に生まれる。生後まもなく中国北京に渡り、終戦後に帰国。中学2年まで滋賀県海津で過ごす。早くから彫刻家を志し1955年大阪市立美術研究所彫刻室に入所。1958年海辺の砂に石膏を流し込んだ「SAND」シリーズを初個展で発表し注目される。以降、反芸術的作品「何もすることがない」、ため息を彫刻素材として捉えた「ピンクバルーン」。黒い箱状のアトリエや周辺の光景、波の表情による彫刻。平面に言葉を刻み込んだ「僕達は本当に怯えなくてもいいのでしょうか」など戦後の日本における現代美術を代表する彫刻家の一人として国内外で多数の展覧会に発表をつづけるが、2005年、想像力の回帰を自覚し「つくらない彫刻家」となる。主な展覧会として「現代美術の新世代展」(東京国立近代美術館、1966)、「第16回サンパウロ・ビエンナーレ」(1981)、「ヨコハマトリエンナーレ2014」、「福岡道雄 つくらない彫刻家」(国立国際美術館、大阪、2017)などがある。
ジェニー・ホルツァー(Jenny Holzer)
1950年アメリカ・オハイオ州生まれ。オハイオ大学で版画・絵画を学んだ後、ロードアイランド・スクール・オブ・デザインを卒業。在学中の70年代後半より、格言や寸言を挑発的あるいはコミカルにもじった自作のテキストを印刷しポスターとして街中に貼る、またTシャツや帽子などにそれらを印字するなどした「自明の理」シリーズの制作を開始する。80年代には、電光のニューステロップを模して、ビルボード広告や電光掲示板を媒体に公共の空間に介入し、資本主義や社会制度の矛盾、労働搾取や暴力、人権問題などに対する批判的なメッセージを発信する「サバイバル」シリーズを展開。一貫して「言葉」を軸に活動しながら、言語とものを組み合わせたインスタレーション、戦争や戦地での女性たちを題材とした作品、インターネット上での参加型プロジェクトなどを発表している。90年に第44回ヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞。
丸井花穂《190》2024, H116.7×W91.2cm, キャンバス、油彩、油性塗料
丸井花穂(Kaho Marui)
1997年兵庫県出身。2024年京都芸術大学大学院美術工芸領域油画専攻修了。京都と大阪を拠点に活動。区切りが見えない広さの紙に完成図を決めずにペンを走らせる行為を「ゴールなきドローイング」と呼ぶ。ドローイングはまるで菌糸体であり、脳内のネットワークから実体を生み出すため、ドローイングを元に油絵などの作品を制作する。アフリカの草ビロードに影響を受けた。主な展覧会に「the Search for God」(同時代ギャラリー、京都、2024)、「そのこえはもっととおくからくる」(AIR 大原 Gallery、京都、2024)、「HANKYU ART FAIR 2024」(阪急うめだギャラリー、大阪、2024)、「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2024」(京都国立博物館 明治古都館、京都、2024)など。
グレン・ライゴン《Study for stranger in the village / Hands Series》2011, H74.9×W48cm, silkscreen ink, coal dust, ink, graphite and glue on paper
グレン・ライゴン(Glenn Ligon)
1960年生まれ。ニューヨークを拠点に活動する。80年代より近代美術やコンセプチュアル・アートに基づく作品を制作し、アメリカの歴史・文学・社会を鋭く探究し続けてきた。近年の個展に「Des Parisiens Noirs」(オルセー美術館、パリ、2019)、「Glenn Ligon: America」(ホイットニー美術館、ニューヨーク、2011)など。これまで「ヴェネチア・ビエンナーレ」(1997、2015)、「イスタンブール・ビエンナーレ」(2011、2019)や「ドクメンタ 11」(2002)など数多くの国際展に参加するほか、自らも展覧会をキュレーションしている。
リュ・ジェユン《月壺》2020, H45×φ45cm, 白土、赤土、顔料、白金
リュ・ジェユン(Ryu Jeyoon/류제윤)
1990年韓国生まれ。 2021年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程陶磁器専攻修了し、現在、京都をベースとして韓国、日本、台湾などで活動。毎日を生きながら出会う多様な経験を土台に感じた感情を粘土を使って構想的な形に置き換え、その過程の中で発見される多様な瞬間と形状を作品の中に込められたナラティブと一致させ、作品を完成させて進むアプローチを通じた制作を行っている。2024年「WESTBUND ARTFAIR SHANGHAI」、「ARTIST’S FAIR KYOTO」、「HANKYU ART FAIR」、「ART OSAKA」、「ART TAICYUNG」、個展「LIFE MONSTER」(Marco Gallery、大阪)、「山は動く」(gallery Main、京都)、2023年「ART OSAKA」、「ART TAIPEI」、個展「沼の夢、沼の部屋」(studio J、大阪)など。その他様々なグループ展や、アートイヴェントに参加している。
◆プレスリリース・広報素材のダウンロードはこちらから
Comments